不動産フランチャイズに加盟した場合、本部へ様々な費用を支払うことになります。
費用には、一時的なものと定期的に支払うものがあるのですが、中でも、定期的に支払うロイヤリティはトータルコストに大きく影響するため重要です。
今回は、ロイヤリティが平均してどのくらいなのか、また各社でどのように定められているのかを解説します。
不動産フランチャイズのロイヤリティとは?
そもそも、不動産フランチャイズに加盟した場合に発生するロイヤリティとは、いったい何なのでしょうか?
なぜ支払う必要があるのか、解説します。
不動産フランチャイズの加盟店は、本部となる不動産会社の商標やロゴ、店名などを使用する権利を得ることになります。
それにより、フランチャイズを展開する不動産会社のネームバリューを得ることができるのです。
例えば、街の不動産会社の場合、その地域に住む人の間での知名度や信用度は高いかもしれません。
しかし、新たに引っ越してきた人は知らないため、信用していいのか悩んでしまうでしょう。
その点、全国にフランチャイズを展開している不動産会社なら、聞き覚えもあって安心できます。
このように、不動産フランチャイズに加盟すると、自社のことをよく知らない人からの信用を得やすくなるのです。
その結果、新たな顧客も獲得しやすくなります。
新規開店は信用を得るのが最も難しいのですが、その点を短期間でクリアできるのです。
また、自分で不動産会社を経営した場合、様々な施策を試行錯誤したり、営業活動に悩んだりすることがよくあります。
しかし、不動産フランチャイズに加盟すると、その点もクリアできるのです。
なぜなら、本部から経営に関するノウハウを教えてもらえるからです。
それを知っているだけで、経営しやすくなります。
そして、ノウハウを提供されることで加盟店では均一のサービスが提供できるようになります。
一定レベルのサービスが安定的に提供できることから、ブランドイメージが統一され、顧客は安心して利用できるでしょう。
加盟店は、このようなメリットを享受できるサービスを本部から受けるため、加盟金とロイヤリティを支払うことになるのです。
ただし、加盟金は加盟時のみ支払いますが、ロイヤリティは毎月支払うことになります。
ロイヤリティには大別して2つの種類があります。
それは、定額方式と定率方式です。
また、定率方式は、売上歩合方式と粗利分配方式の2つに分けることができます。
定額方式というのは、売上に関わらず毎月決まった金額をロイヤリティとして支払う方式です。
ロイヤリティが10万円であれば、売上が0でも1億円でも毎月の支払いは10万円となります。
定率方式は、基準となる金額に、一定の割合をかけた額をロイヤリティとして支払う方式です。
これには、売上を基準として計算するものと、粗利を基準にして計算するものがあります。
売上を基準とする方式を売上歩合方式といいます。
売上歩合方式の場合、例えばロイヤリティが5%であれば、売上が500万円なら25万円、100万円なら5万円を支払うこととなります。
不動産フランチャイズによっては、モチベーションアップのため売上に応じて比率を変更しているところもあります。
一方、粗利を基準とする方法は粗利分配方式といいます。
コンビニなどでは使われることが多いものの、不動産フランチャイズでは一般的ではありません。
粗利分配方式の場合は、販売価格から仕入価格を引いた額に、一定の割合をかけてロイヤリティを算出します。
各社のロイヤリティと平均
では、代表的な不動産会社のロイヤリティがどのくらいなのか、紹介していきます。
不動産会社の中でも、特にフランチャイズに力を入れているハウスドゥ、センチュリー21、ピタットハウス、KEIAI、イエステーションのロイヤリティは、どのくらいなのでしょうか?
ハウスドゥは、売買仲介のハウスドゥと賃貸仲介のレントドゥ、不動産買取のサテライトなどがあり、加盟店数は687店舗(2022年5月末時点)あります。
3年間で100店舗増えた、ということでテレビにも取り上げられたことがあるなど、急成長している不動産フランチャイズです。
ハウスドゥのロイヤリティは、月額固定で11万円となっています。
それに加え、広告分担金3万3,000円~22万円、WEBシステム利用料7万8,989円、イメージキャラクター利用料3万3,000 円がかかります。
センチュリー21はアメリカで誕生した不動産ネットワークです。
日本国内には991店舗に及ぶ加盟店(2022年3月末時点)のみがあり、直営店はありません。
センチュリー21のロイヤリティは売上歩合方式で、受取手数料の6%です。
ピタットハウスは、賃貸と売買の両方を取り扱っている、全国680店舗以上の加盟店がある不動産会社です。
また、加盟店同士の交流や情報交換にも力を入れています。
ピタットハウスのロイヤリティは月額固定で、25万円となっています。
KEIAIは、加盟店舗数こそ98店舗とまだ多くはないのですが、店舗ごとに異なる理想の経営像を策定し、それに合わせたアドバイスをしてもらえるという点が特徴です。
ロイヤリティは月額固定の22万円ですが、別途システム使用料として6万1,600円がかかるため、実質は28万1,600円となります。
イエステーションは、地域ごとに1店舗しか展開しないという方針の不動産会社です。
加盟店同士で成功や失敗の事例を共有しあう支部会を開催して、経営力を高めることができます。
イエステーションのロイヤリティは売上歩合方式で、仲介手数料の1.75%です。
5社のロイヤリティを比較すると、1か月の仲介手数料が1400万円を超えない限りはイエステーションが最安となります。
地域トップを目指したい方にも、おすすめです。
まとめ
不動産フランチャイズでは、加盟することで社名や商標などを使用する権利を得ることができる代わりに、ロイヤリティを毎月支払う必要があります。
ロイヤリティはそれぞれ異なり、固定金額のところもあれば歩合方式のところもあります。
これは毎月支払うものなので、できるだけ安い方がいいでしょう。 その点からいうと、イエステーションをおすすめします。