フランチャイズの仕組みは、多くの業種に導入されています。
その中でも、今、注目されているのが不動産会社のフランチャイズです。
しかし、不動産会社のフランチャイズと言われても、どのようなものか、いまいちピンとこないという人もいるかもしれません。
不動産フランチャイズというのは、いったいどのようなものなのでしょうか?
不動産フランチャイズとは?
フランチャイズといえば、コンビニや飲食業などのイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、実際にはそれだけではなく、多くの業種にフランチャイズが存在しています。
不動産会社も、その1つです。
不動産会社のフランチャイズも、他の業種と同様にロイヤリティを支払って店舗の看板を借り、会社を経営することができます。
また、経営のノウハウを得られるのです。
同じ名前の不動産会社がある場合に、支店かと思っていたら実はフランチャイズだった、ということもあります。
その場合、聞いたことのある不動産会社の名前であっても、実情は街の不動産会社ということになります。
また、不動産フランチャイズの中には、加盟店の名前をそのまま使用したうえで、共通の看板を掲げて営業できるところもあります。
そのため、この場合は「○○○(※共通の看板名) ××株式会社」というような形で運営することになります。
加盟するには条件が決まっていることもあります。
加盟の条件や資格などはフランチャイズを行っている不動産会社によって違いがありますが、共通しているルールがあります。
それは、宅地建物取引業免許を取得しているということです。
これは宅地建物取引業法の規定であり、不動産業の経営には必須と言われているのです。
さらに、加盟金や保証金なども必要です。
加盟金とは、加盟の際にフランチャイズ本部に支払うもので、それを支払うことで会社名などを使用して運営することができます。
保証金は加盟料の支払いができなかった時に備えて納めておくものです。
不動産フランチャイズはどのくらい利用されている?
不動産フランチャイズは、現在、どのくらいの割合で加盟しているものなのでしょうか?
下記は直営店と加盟店がある不動産フランチャイズの、それぞれの割合です。
【アパマンショップ】
直営店…89店舗(約9%)
加盟店…993店舗(約91%)
【エイブル】
直営店…430店舗(約54%)
加盟店…375店舗(約46%)
【ミニミニグループ】
直営店…231店舗(約50%)
加盟店…235店舗(約50%)
【レオパレス21】
直営店…189店舗(約66%)
加盟店…106店舗(約34%)
【東建コーポレーション】※ホームメイトを運営
直営店…227店舗(約38%)
加盟店…377店舗(約62%)
【スターツグループ】※ピタットハウスを運営
直営店…121店舗(約22%)
加盟店…561店舗(約78%)
このように、直営店と加盟店がそれぞれある、という不動産フランチャイズがある一方で、加盟店のみ、という不動産フランチャイズもあります。
センチュリー21・ジャパンの場合は、965店舗ありますが、その中に直営店は1店舗もありません。
また、LIXILイーアールエージャパンは、全体で505件、イエステーションは全体で177件の店舗がありますが、この2社も加盟店のみで、直営店は1つもありません。
このように、直営店と加盟店の割合は、不動産フランチャイズによって様々です。
では、不動産フランチャイズに加盟することで取扱物件数が増えるのかというと、実はそれほど大きな違いはありません。
現在の不動産会社は、レインズという不動産情報を交換するネットワークシステムを利用しているので、物件情報はほとんどすべてを共有していることになります。
そのため、不動産会社ごとの違いはごくわずかです。
不動産フランチャイズに加盟するのはどうしてか?
それなら、なぜ不動産会社のフランチャイズに加盟するのでしょうか?
加盟したいと考える理由は、
・不動産フランチャイズへの加盟により、信頼度が高いと思ってもらえて、集客力につながる
・本部からマニュアルや営業ノウハウの提供をしてもらえる
・様々な最新情報やシステムの提供をしてもらえる
など、様々であると考えられます。
しかし、根底にあるのは、「今よりも業績を拡大したい」「地域で№1の不動産会社になりたい」といった、「もっと上を目指したい」というものではないでしょうか。
もしも不動産フランチャイズに加盟することで今より上を目指したい、というのであれば、それができるフランチャイズを探すことが大切です。
なぜなら、
・不動産フランチャイズの看板を掲げているだけでは集客力アップにはつながらない
・本部から提供されるマニュアルや営業ノウハウが自社に合うとは限らない
からです。
今より上を目指せる不動産フランチャイズとは?
自社の状況に合った形で集客力アップにつながるようなノウハウを構築できたり、マニュアルも自社に合った形で運用できたりするような不動産フランチャイズであれば、加盟によって「もっと上を目指す」という目的を果たすことができるでしょう。
しかし、実際にはそれができる不動産フランチャイズは決して多くありません。
そのような不動産フランチャイズを探す場合は、
・加盟店同士の横のつながりが強い
・加盟店同士で教え合ったりサポートし合ったりする体制が構築できている
・自社に合ったノウハウを構築できる
という点を重視するのがおすすめです。
加盟店同士で様々な情報を共有することで、自社の経営に活かすことができます。
そのためには、加盟店同士のつながりが必要になるので、他の加盟店と交流の機会を多く得られる不動産フランチャイズが良いでしょう。
互いの成功事例や失敗事例を共有することで、自社に合ったノウハウを構築していくことができます。
加盟店が主体的に動き、互いに切磋琢磨できる不動産フランチャイズに加盟することで、もっと上を目指すことができるでしょう。
まとめ
不動産フランチャイズは、街の不動産会社が不動産フランチャイズを展開する会社の看板を借りて営業することができる、というものです。
信頼や経営ノウハウなど、物件数以外の部分でのメリットを享受し、より上を目指すべく加盟を考える人もいるでしょう。
ただし、その目的を達成するためにも、加盟店同士で教え合い、自社に合ったノウハウを構築できるようなフランチャイズに加盟するのがおすすめです。