不動産フランチャイズ加盟後にあると役立つ資格「マンション管理士」

不動産フランチャイズに加盟する際に、必須の資格以外に、不動産に関する他の資格も取っておきたいと考える人もいるのではないでしょうか?
あるいは、不動産フランチャイズに加盟して不動産業を行うようになった時に、業務を通じ、不動産に関する資格を新たに取得したいと考えるようになるかもしれません。
不動産に関する資格は、国家資格・民間資格ともに様々なものがあります。
今回は、国家資格の1つである「マンション管理士」について、その概要と取得方法を解説します。

マンション管理士とは?

不動産業の業務といえば、不動産の売買や賃貸の仲介業務などを真っ先に思い浮かべるかもしれません。
もちろん、これらの業務は不動産業の代表的なものですが、それ以外に、マンションの管理を手掛けている不動産会社は珍しくないのです。

マンションの管理というと、騒音や喫煙等生活マナーを巡る住民の同士のトラブル処理や、共有スペースなどの管理等を行うといったイメージがあるかもしれません。
もちろん、これらもマンション管理における重要な仕事です。
しかし、この他にも、マンションの防水等の工事の計画や、それを行う工事会社の選定、管理規約の内容の見直しや精査、管理組合の運営なども行う必要があります。
これらの業務をきちんと行うためには実務経験も重要ですが、それ以外に、区分所有法を中心に、民法、民事訴訟法、消防法などの専門知識も必要になります。
そこで役立つのが、マンション管理士の資格です。

この資格は、公益財団法人マンション管理センターが試験を実施し、国土交通省に認定される国家資格です。
取得することで、マンション管理組合のコンサルタントを行うために必要な一定の専門知識を有していると証明されます。

2001年からスタートした比較的新しい資格で、初年度が10万人以上、翌年が6万人超の受験者がいました。
その後、受験者数は徐々に減少し、2021年度は1万5千人弱となっています。
合格率は7.0%から9.9%と低い、難関試験です。
また、管理業務主任者試験合格者であればマンション管理の適正化推進に関する法律等の出題部分の5問が免除されるという規定があるため、それに該当する人も多く受験しています。

試験に合格した人は、合格後にマンション管理士の登録免許税を納め、登録後は5年毎に更新のため、法定講習を受けることが義務となっています。
なお、合格者のうち、7割弱がマンション管理士として登録されています。

マンション管理士の取得方法

マンション管理士を取得するための登録要件には、実務経験などはありません。
試験は毎年1回、通常は11月の最終日曜日に行われます。

試験の実施要項は、国土交通大臣の名前で官報に6月上旬に公告されます。
同時に、公益財団法人マンション管理センターのホームページにも掲載されます。
受験案内や申込書の配布は、8月から9月にかけて行われます。

実際に受験申し込みができるようになるのは9月からで、申込は必要書類一式を専用封筒に入れて特定記録郵便で郵送します。
受験料は、9,400円です。

合格発表は、翌年1月です。
受験者には、全員に対して合否の通知が送付されます。
それとは別に、ホームページ上にも合格者の受験番号が掲載されます。

50問の四肢択一の試験問題を2時間で解くのですが、毎年、合格点は30点から38点です。
上位から決まった人数が合格するのではなく、一定の点数を取得した人が合格となります。
出題範囲は、マンション管理に必要な知識の4つの分野からです。

この試験に合格できればマンション管理士を名乗って仕事をすることができます。
しかし、年1回とチャンスが少ないうえ合格率も非常に低く、一発合格は容易ではないでしょう。

また、すでに書いたように、マンション管理士の資格を取得するうえで、実務経験は問われません。
しかし、資格を取得したからといって、マンション管理士としての仕事がすぐにできるようになるわけではないことに注意が必要です。
資格の勉強を通じて身に付けた知識だけでマンション管理士の実務を行うのは難しく、ある程度の経験を積んでノウハウを得てからでないと、この資格を活かして仕事の幅を広げることはできない可能性が高いでしょう。
顧客を獲得しようにも、未経験では実績がないため難しいと考えられます。
マンション管理士の仕事をしたければ、ある程度、この仕事の経験を積んでからの方が良いでしょう。

マンション管理士の仕事は独占業務ではありません。
無資格の場合、マンション管理士と名乗ることはできなくても、同じ内容の仕事をすることは可能です。
そのため、先に実務経験を積んだうえで取得することをおすすめします。

まとめ

マンション管理士という資格は、不動産業を営む上で必須ではありません。
しかし、取得しておくことで、仕事の幅が広がる可能性のある資格です。
ただし、この資格取得したからといって、未経験でもマンション管理士としての仕事が入ってくるようになるかというと、そうではありません。
この資格を活かして仕事をするには、ある程度の経験を積んでからでないと難しいことを念頭に置いてください。
そのうえで、資格の取得をすべきかどうか考えましょう。
また、他の不動産資格も併せて取得するのもおすすめです。

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