事業を拡大するための不動産フランチャイズ加盟と見るべきポイント

不動産業を始める時、あるいは既に始めている時に、事業規模を拡大するにはどうしたらいいのか悩む人は多いでしょう。
その場合にお勧めなのは、不動産フランチャイズに加盟することです。
一方で注意点もあります。
今回は、不動産業で事業規模を拡大したい場合に不動産フランチャイズに加盟するのがどうしてお勧めなのか、ということと、不動産フランチャイズ選びの注意点について説明します。

不動産業の事業規模拡大に不動産フランチャイズが良い理由

不動産業に限らず、どの業界でも、事業規模を拡大するためには売上を増やすことが大切です。
不動産業の場合、売買仲介や賃貸仲介、もしくは自社物件の売却や買取、物件管理などの業態がありますが、どの業態であっても、取り扱い物件数を増やすことで売上の増加につながります。
売上の増加に伴い利益も増加することで、やがて事業規模も拡大していけるでしょう。
そのきっかけを得るために、不動産フランチャイズへの加盟を考える人もいると考えられます。

売上増加から事業規模を拡大するためには、ある程度の期間が必要になることが想定されます。
そのため、独立後、できるだけ長く事業を継続できることが大切になるのです。
実は、不動産フランチャイズに個人が加盟するメリットとして、事業継続年数が長くなる可能性がある、ということが挙げられます。
中小企業白書によれば、個人事業主の場合、起業後1年までの間に37.7%が廃業しています。
年数が長くなるほど廃業率は上がり、10年後には88.4%が廃業しているのです。
その理由として、経営を行ううえで必要な資金管理や人材・労務管理、市場へのアプローチなどのノウハウが乏しいことが考えられます。
不動産業界の経験がある人でも、独立して不動産業を行う場合には、高い確率で廃業する恐れがあるのです。
事業規模を拡大する以前に、事業をやめることになってしまっては元も子もありません。
しかし、フランチャイズに加盟した場合はその可能性が下がり、5年間で30%~35%程度と言われています。
生存率が上がる分、事業規模を拡大できる可能性も高くなるでしょう。

また、法人が不動産フランチャイズへの加盟を考える場合も、やはり「売上と利益を伸ばして、事業を拡大したい」ということが目的にあるケースが多いのではないでしょうか。
売上を伸ばすための方法として異業種に参入する選択肢もありますが、本業の不動産業をテコ入れしたい場合には、不動産フランチャイズに加盟することで、営業ノウハウや資材の提供、ブランディング促進、経営指導などの経営ノウハウを得ることもできるでしょう。
また、中には「社員の勤続年数を長期化させ、レベルアップを図りたい」といったケースもあります。
この場合も、不動産フランチャイズに加盟することで、スタッフ育成のノウハウや、スタッフ定着につながる従業員満足度の向上の施策などを身に付けることができます。
定着したスタッフがレベルアップすることで、それが売上にも反映され、事業の拡大につながると考えられるのです。

不動産フランチャイズを選ぶ際の注意点

このように、不動産業の規模を拡大するためには、物件の取扱量を増やして売上や利益を伸ばすことが大切で、そのために必要な営業ノウハウを身に付けたり、人脈を得たりする必要があります。
しかし、どんな不動産フランチャイズでもそれができるのかというと、決してそうではありません。
例えば、事業拡大のために人脈づくりを行いたいと考えた場合、加盟する不動産フランチャイズによっては、加盟店同士のつながりが希薄でそれができないケースもあります。
「思っていたのと違う」「聞いていた話と違う」ということにならないように、加盟の前に、不動産フランチャイズの担当者によく確認することが大切です。
その際、

・どんなサポート体制がとられているのか
・自店に合った経営ノウハウを身に付けられるのか
・加盟店同士のつながりは強いのか
・事業の成長性や収益性はどうなっているのか
・複数店舗展開するオーナーはどのくらいいるのか
・解約率と契約更新率はどのくらいか
・FCを展開する目的
・本部の財務状態
・自身(自社)の価値観や方向性に合致した経営理念か

など、確認したい点は多くあります。
事業規模拡大の可能性について重点的にチェックする場合、「売上アップのために何が足りないのか?どうすれば良いのか?」といった悩みを持った時に、適切なアドバイスを受けられ、自店の強み・弱みを踏まえた柔軟性のあるノウハウを構築できるようなサポート体制になっているようなら、拡大につながる可能性も高まるでしょう。
また、加盟店同士のつながりが強ければ、有益な生きた情報を得られるチャンスが増えます。
加盟店の成長性や収益性が高いと、早期に事業を拡大していくことができるかもしれません。
不動産フランチャイズのオーナーの中で、複数店舗を展開する割合が多い場合は、フランチャイズ加盟後に業績を伸ばして利益を出せる体制になっていて、事業を拡大できる可能性が高い、と考えることができます。
解約率が他の不動産フランチャイズより低く、契約更新率が高ければ、加盟したことによる満足度が高いと推測できます。
一例ですが、不動産業の事業規模拡大を目標に不動産フランチャイズへの加盟を検討する場合は、このような点を確認してみましょう。

まとめ

不動産業の規模を拡大する場合には、営業ノウハウ、経営ノウハウが必要です。
それを個人や自社だけで行うとなると困難ですが、不動産フランチャイズに加盟することで実現できる可能性が高くなります。
ただし、加盟にあたり、どのようなサポートが行われるのか等、規模の拡大につながる体制がとられているか確認することが大切です。
また、複数店舗を展開するオーナーの割合や契約更新率などを知ることで、加盟者からの評価を推測することができるでしょう。

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